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和装小物
もともとは衿の汚れを防ぐために予め地衿の上に掛ける「掛け衿」の一種で、襦袢の衿に掛けます。素材は縮緬、塩瀬、羽二重などに、夏は絽や麻も。江戸時代中期に出来たとされ、明治から大正時代はきものが地味だった反面、総絞りや刺繍、友禅などの華やいだ半衿が好まれました。 きれいな衣紋が抜けるように、衿のカタチが崩れないように入れる半衿の芯で、目の細かい綿織物や、バイパスに裁断した生地、最近ではポリエチレンやナイロンなどの縫いつけないタイプも多くなっています。 裾よけと共に一番最初に着る肌に直接着用する下着で、汗や皮脂を取るための下着ですので、素材は吸湿性が高く通気性の良い晒し木綿を用いた単仕立てのものが一般的ですが、ガーゼの袷仕立てのものや、最近では裾よけと肌襦袢をセットにしたワンピース型が増えてきました。 下半身に巻き付けて使うもので、素肌に身に着けます。汗や皮脂を取るだけでなく、裾捌きをよくするため良く滑る素材が用いられます。長襦袢の汚れを防ぐ役目も。 肌襦袢と裾よけの上に着用するもので、対丈で裾まであるものを「長襦袢」、上半身だけのものを「半襦袢」と言います。生地は綸子、縮緬、羽二重、ポリエステルなどが主ですが、夏は絽や紗、麻が用いられます。礼装には白、それ以外は色柄を楽しむ人が増えてきました。振りから覗く長襦袢の調和は襲色目を参考にしてみるとよいでしょう。 (関東仕立て[通し衿仕立て]) (関西仕立て) もっぱら、おはしょりをするために用いますが、着付けの途中の仮結びや、二重太鼓の仮結びなどにも用います。メリンスが主流でしたが最近はポリエステルや中に芯を入れたくけ紐、しごき風の絹に加え、ベルトタイプのものも開発されています。 室町時代より以前は革製で、指先が割れていないタイプでしたが、そこから発展し、現在のカタチになりました。鈷櫨も元禄年間には表れ、それまでの紐で結ぶタイプはなくなりました。素材はキャラコが主流ですが、別珍や裏がネルのタイプ、夏には麻とさまざまな素材が用いられます。最近は色足袋、柄足袋を好む人も多いようですが、礼装は白を用いましょう。 帯の上に最後に締める紐で、お太鼓を支える役割と共に装飾的な役割も大きく、コーディネイトが重要です。組紐が主で大きく平打ちと丸組に分かれますが、細かく言うと何通りもの組み方があります。他に丸ぐけのタイプも。 帯枕の上に被せて前へ持ってきて帯の中へ納めるもので、どれくらい見せるのか? は装いの格や全体のコーディネイト、それぞれの好みにもよりますが、装飾的な要素が強いのでセンスが問われます。素材は縮緬、紋綸子、ポリエステル、夏には絽や紗があり、絞りやぼかし、無地の他、小紋柄や刺繍、金銀箔を施したものなどさまざまです。 *フォーマル向き写真 第一礼装 訪問着 草履は台と鼻緒で構成され、台の裏は歯がなく平らです。 素材は金銀の帯地、佐賀錦、畳表、エナメルなどさまざまですが、かつては畳表が主流だったとか。 かかとの高いものは礼装、正装向きとされます。また、帯地なども礼装に向いています。かかとが比較的低く、台と鼻緒の色や素材の異なるものはおしゃれ着向きです。 ◎かかとの高い草履 駒下駄、雨下駄、日和下駄、右近下駄と用途や形、地方によってさまざまな名称で呼ばれます。下駄は、古墳時代に遡れるほど長い歴史を持ちますが、昭和以降、草履の発展によって普段着、ゆかたと用途が狭くなりました。最近は歯のない下駄などにおしゃれな鼻緒を付けて、紬などのおしゃれ着に使用することが増えてきました。 |