きものの素材
素材
【 絹 】
絹の利用は五千年前の中国で始まったとされています。蚕は桑の葉を食べて繭になり、その繭を煮て取り出したのが絹糸です。絹糸には「生糸(きいと)」と「紬糸(つむぎいと)」があります。
(絹の長所)
美しい光沢と、柔らかくなめらかな風合い、軽さ。
吸湿性と放湿性の高さ、保温性の高さ。
染めやすさ。
(絹の短所)
水に弱く、濡れると縮みやすい性質。
摩擦に弱く毛羽立ちやすい。
日光に当たると変色しやすい。
手入れが面倒。
【 麻 】
麻は、今は夏の素材ですが、日本人が古くから親しんできた素材です。
【 麻の長所 】
通気性、吸湿性、速乾性に優れている。
独自の張りがある地風とサラサラした肌触り。
水に強く、洗濯できるものが多い。
【 麻の短所 】
シワになりやすい。
【 木綿 】
室町時代に伝わり、日本の風土に適していたので瞬く間に全国へ広まっていきました。
【 木綿の長所 】
水に強く、繰り返しの洗濯に耐える丈夫さがある。
肌触りが柔らかい。
染めやすい。
【 木綿の短所 】
滑りが悪い。
光沢が少ない。
【 ウール 】
羊の毛から作られた繊維で、昭和40年代に一世を風靡しました。最近また少しずつ注目を浴びています。夏物は薄出のポーラのようなシルクを混ぜたシルクウールもあり、モスリン(メリンス)もウールを使った繊維です。
【 ウールの長所 】
保温性が高く適度な吸湿性もあり、型くずれしにくい。
安価で手軽。
【 ウールの短所 】
ムシの害にあいやすい。
【 化学繊維 】
化学的に合成された繊維なので、化繊と呼ばれます。主なものにナイロン、レーヨン、ポリエステルなどがあります。
【 化学繊維の長所 】
水や摩擦に強い。
家庭で洗濯が出来て手入れが楽。
安価で手軽。
【 化学繊維の短所 】
吸湿性が小さい。
静電気が起きやすい。