着物の形は直線です。
人間の身体は円です。
直線の衣服で丸い身体を包むのはなかなか難しいですね。
さて、形は置いておいて、柄について考えてみますね。
縦縞や横縞は直線柄ですから、コーディネートを考える時、帯をどうするか、迷いませんか?
なかなか難しい。
画像のコーディネートを参考にしてみましょう。
白の塩瀬に猫の絵を描いたのは、京都の森本さんという、元々は家紋を描くかたなのですが、色の補正などを手がけているうちに、柄も描いてみようということになり、このような見事な猫の柄の帯を制作してしまったのです。
丸みを帯びた猫を生かすため、縦縞の着物を合わせています。
着物と猫の間に帯の白地が来ることによって、猫はいっそう、際立って見えます。
しかも、わざとバランスを崩し、垂れを広く、斜めに締めています。これで、猫はより目立っています。
前にも同じ猫が小さめに描いてあります。
帯紐は暗色の緑、帯揚げは銀を配した白です。
着物初心者が陥りがちなミスとして、猫なんだから、鈴の根付けをぶら下げようとか、帯留を小判にしようだとか、あれこれ付録をつけてしまいがち。
しかしそれでは野暮になります。
着物は、粋か野暮かでそのセンスが問われます。
Posted at 15:29