先日お会いした若い女性から「 遠藤さんは着物を広めようとしてるんですよね」と、言われました。
違います。
そんな面倒なことは考えてません。
「でもキモノ本を何冊も書いたじゃありませんか」
本業は著述業ですから、注文があれば可能な限りこなします。
たまたま売れたから、注文があり、何冊も出したのです。
札幌で和事教室も開いていますが、これも若いひとたちからリクエストがあったのです。
しかーし、職人技は好きです。
着物には大昔からの技術の粋が詰まっています。
着物だけではありません。日本の伝統品はみなそうです。
既製品しか知らない若いひとたちは、値段やブランドで価値を決めます。
一枚の布を手に取り、なにかを感じることを知りません。
結果として、手っ取り早く価値あるものを、しかも安く、得ようとします。
技は、日々の 積み重ねからしか生まれません。
先日、私の浴衣を見ていた30代の女性が「その浴衣、譲っていただけませんか?風合いに惚れました。家で普段に着たらどんなに気持いいか、と思って」と言うのです。
絹紅梅地の藍の浴衣です。
彼女の感じかたが気にいってお譲りしました。
家事はたすきがけでしたい、と言うので、紅絹 地での作り方をお教えしました。
「感じる」ひとにほとんど会わないですね。
[反応する」ひとばかりで寂しいです。ロボットみたいで。
Posted at 10:06