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花saku次号予告
 
きものの種類

きものは染めと織りのきものに分けられます。
染の方が織よりもフォーマルとされ、紬などの織のきものは普段着として着用されるのが一般的です。 帯は逆で、織の方が染よりもフォーマルとなります。

表

【染とは】

糸を染めずに白いままで布に織り上げ、その布にさまざまな技法で模様を染めるきものを「染のきもの」といいます。後から染めるので「後染」とも言います。

【織とは】

糸を染めてから織り上げたきものを「織のきもの」といいます。糸の内に染めるので「先染」とも言います。

 

 

 

織のきもの

 

 

1.紬(つむぎ)

つむぎ

紬は全国各地で織られており、織のきものの代表的なものです。結城紬、大島紬のように地名を付けたものが数多くあります。 絹の元になる繭のなかで生糸にならないくず繭や、蚕が二頭で作り上げた玉繭から紡いだ真綿糸や玉糸が用いられます。
多くは平織りですが、柄は無地だけでなく、絣、縞、格子が最も多く、最近では絵羽模様のものも各地で織られています。また紬糸を白生地に織り上げた、 紬地の後染め加工のものなども大島紬や牛首紬、白山紬などで増えてきました。かつては紬糸(真綿糸・玉糸)で織られた布を紬といいましたが、 最近では大島紬のように生糸で織った物も紬と呼ばれます。

◇ワンポイント

紬糸は、繭をいったん袋状の真綿に加工し、手で紡いで糸にした物で、正確に言うと「手紬糸」と言い、代表的なものに結城紬があります。

 

2.御召(おめし)

おめし

徳川十一代将軍家斉が好んでお召しになったことから名付けられたといわれる高級絹織物で、正確には「御召縮緬」と呼びます。
強い右撚りと左撚りの緯糸を強く糊付けした「御召緯」と呼ばれる特殊な糸で織り上げたあとに湯もみをし、糸の撚りが戻ろう戻ろうとする力を利用してシボを生じさせた織物で、 シワになりにくく、重宝です。
御召は、「御召糸」と呼ばれる特殊な糸を使って織り上げられます。縮緬が織り上げてから精練するのに対して、御召は糸の段階で精練をしますので、同じ「シボ」がある布でも その風合いは違います。代表的な産地は京都西陣と山形白鷹。

◇ワンポイント

小紋というだけに、小さな柄のきものかと思いがちですが、型染めの繰り返し模様であれば、柄の大小にかかわらず、すべて小紋と呼びます。 小紋というととても華やかな印象ですが、紅型、藍型、更紗、絞り染め、臈纈染めなどの技法で染められたものもあります。

袋帯を合わせれば茶席や式の装い、寒色系の無地(地紋のないタイプ)に黒名古屋帯を合わせれば通夜や法事に、 コーディネイトによってはコンサートやお茶会などにも着こなせるきものです。

御召の種類

【 上代御召 】

御召緯と普通の撚糸を使った御召で、風合いはしっかりとしています。中でも紋を織り出したものは「紋上代」と呼ばれます。

【 上代御召 】

模様の部分を金銀や色の糸で縫い取った刺繍のようにも見える布です。

【 風通御召 】

明治時代に画期的なジャガード機が導入されてから生産が活発になった「二重織」で、模様の部分が表と裏で逆の糸が出るのでネガとポジのように裏と表で 色が逆に入れ替わるのが特徴です。

 

3.木綿(もめん)

綿花を手紡ぎや紡績した木綿糸を使用した織物で、日本各地でみることが出来ます。日本人は古くは麻や葛をはじめとする布を着用していましたが、 室町時代に日本に伝わって以来、日本の気候風土にも適し、北前船の発達も手伝って徐々に全国に広まって行きました。
江戸中期には庶民の最も一般的な衣類として珍重されます。縞や格子が一般的だった物が、江戸後期には絣柄も織られるようになり、 徐々におしゃれな柄が生まれました。
木綿は肌触りが良く、吸湿性、吸水性に富み、丈夫なことが庶民の間に広まった最大の特徴と考えられています。 また、染料に染まりやすい性質を持ち、中でも藍との相性は抜群で、藍染めを施すことでさらに丈夫さが増します。一方、縮みやすくシワになりやすいことが欠点です。 また、絹と比較すると滑りが悪く、まとわりつくので裾捌きが悪くなるかもしれません。八掛を工夫すると良いでしょう。
木綿のきものの中で有名なのが国指定の重要無形文化財の久留米絣です。絹や麻よりも歴史は短いものの、着心地の良さや丈夫さで普段着として長く愛されてきました。 最近ではおしゃれ着として再び人気が出ています。

もめん

 

4.麻 上布(あさ じょうふ)

麻は、江戸中期に木綿が広まるまでは、冬でも庶民の代表的な衣類で、長い歴史を持ちます。
イラクサ科の多年草である苧麻を績んだ糸やラミー糸を、主に平織りに織り上げます。天然繊維の中で麻は最も強く光沢もあるので、 古来は「献上布」とされていたため「上布」と呼ばれます。上布とは上等な麻織物のことです。
麻は通気性、吸湿性、速乾性に富み、シャリッとした肌触りと独特の張りが気持ちよく、また水にも強いので夏のきものとして優れた特徴をたくさん兼ね備えています。 代表的な物に、国指定の重要無形文化財である、越後上布・小千谷縮、宮古上布、そのほか近江上布、能登上布、八重山上布などがあります。

◇ワンポイント

麻の繊維は苧麻の表皮の内側にある「靱皮」から捕ります。苧麻は人の背丈以上に、まっすぐにスクスクと成長することから「麻の葉」の柄が 縁起が良いとされる所以にもなっています。

あさ