ある女性が、寒いとき、きものに帽子はあいにくいし、困っていたけれど、そうだ、ウイッグという手があった、と叫んだので、感心してしまいました。
確かに。
帽子を上手に着物に合わせるのはなかなか難しいですね。
寒いからではなく、おしゃれに決めたいひとが、似合わなくても被ってしまうときの逃げ口上があります。
それは「可愛い」という表現です。
可愛ければ何でも受け入れられる風潮に乗っかろうとするのです。
可愛い柄足袋を見つけた、可愛い端布を見つけた、可愛い色の帽子を見つけた、みんな身につけたい、でも全体のコーディネートは、特に着物には合い難い、でも使いたい。
そんなとき、「可愛い」からいいや、とそこへ逃げます。
ご本人はそうでも、外野からは違います。
「可愛い」ではなく「うるさい」コーディネートに見えてしまうのです。着物仲間は一斉に「可愛い」と囃し立てるのでそこで満足してしまいますが、無言の他人は胸の中で「うるさい」から見んとこ、と目を背けるのです。
柄ものではなく、無地の場合は色々合わせてもうるさくはなりません。
可愛いものを使いたいのは、若く見られたいかもしれませんね。
Posted at 12:12