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花saku次号予告
 
きものであそぼ
重陽の節句  [2014年09月04日]
札幌はまだ暑く、夜、浴衣で出かけている、というかたもいます。
内地ときたら、今月一杯は大丈夫だろう、というひともいるくらい、ここ数年の暑さは、着物の季節感さえ変えています。
夏の暑さが長引くようになったのは実は、戦後数年たってすでに始まっていたのです。そのため、昔は9月に入ってすぐに単衣に衣更えする事に何の抵抗もなかったのが、少々辛くなって来ました。
着物には決まりめいたものがありますが、それを崩すのが、呉服屋です。専門家が、従来はこう言われていたけれど、今はこういうふうに換えてもいいのです、と厳かに宣言すると、自信のない皆の衆は安心して従うのです。もちろん、売る為のお言葉なのですが、それが分かっていても、頼るんですね。
夏が長引き始めると、重陽の節句までは夏物を着てもかまわない、と言われるようになりました。重陽の節句とは9月9日のことです。中国では、奇数を陽、偶数を陰、としていますが、奇数が重なる月、3月3日、5月5日、9月9日は重陽の日になります。1月と11月はなぜか加えていません。浴衣はお盆まで、と言われているのも、最近は8月一杯はいいだろうとなっているのもなんとなく納得します。
画像は、絽の手描き友禅の着物と帯です。柄が月に秋草、鈴虫ですから、8月の末、ほんの数日しか着られない訪問着です。着物がメインのファッションであった時代は、こういう、期間限定の着物を誂えるひとは大勢いました。母の遺品です。
Posted at 08:31