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第74回 袖をつくる

 

夏のきものは涼やかに着たい。

そこで、涼しくきものを着るためのひと工夫です。

振りから見える袖があれば、衿襦袢プラス袖で、長襦袢を着ていなくても大丈夫。

衿襦袢の見頃を木綿でつくっておけば、洗濯機で洗えるので気持ちがいいですね。

また、ビンテージなどを購入した場合、袖の長さが手持ちの長襦袢と合わないことも。

そんなときにも袖をつくれると便利です。

今回は無双の袖を紹介していますが、単衣も同様に、もっと簡単につくれます。

柄違い、色違いで何枚かつくっておしゃれを楽しんでください。

 

裁断し、印をつける

今回は、化学繊維で袖をつくりました。

化学繊維はヘラで印がつきにくいので、

色糸で切りびつけです。

絹などの場合はヘラで印をつけてください。

 

1 

袖丈+34㎝(縫い代)×4倍を測り、

裁断します。

袖丈が49㎝の場合は53㎝×4倍になります。

 

2 

輪を左にし、中表にして

手前の布の耳をきちんと揃えます。

肩山が左(輪)、手前が袖口になります。

 

3 

下から1㎝に印をつけます。

 

4 

袖山に印△をつけ、袖山から測り、

49㎝(仕上がり48㎝)に印をつけます。

 

5 

合わせたいきものの袖幅+5㎜に印をつけ、

さらに袖付の印をつけます。

 

縫う

 

振り部分を2枚重ね、

印に沿って縫っていきます。

 

1. 図2のAB「袖口」を並縫い

2. 図2のCD「振り」を並縫い

3. 図2のEF「振り」を並縫い

 

キセをかけて仕上げる

4 

袖耳から1㎝のところを端から縫います。振りも同様に縫います。糸をつなぐときはこま止めせずに5㎝ほど重ね縫いします。

このとき、糸をあまり長くすると、摩擦により、糸が弱くなるので、注意してください。

最後はひと針戻してこま止めです。

 

5 

袖口を手前に折り、2㎜のキセをかけて

アイロン(縫い目に沿わず、直線に)で

折ります。

振りも同様に袖口とは反対にキセをかけます。

 

6

袖下のBFの「裁ち切り」から、

ACの「輪」を内側に重ねて、

4枚を印どおりに重ねます。

 

4枚をピンと揃え、待ち針を打ち、

ひと針返して袖下を縫います。

 

袖付を持って表に返し、しつけをします。  

 

しつけをする

1 

袖付けを持って裏返し、

二目落とし(大小しつけ)でしつけをします。

袖付けから2cmくらい下からしつけを始め、

縫い終わりも袖付けから2cm下で縫いとめます。

 

2 

袖口もフキを出して

表裏同じ糸目でしつけをします。

ここは手でこすれてしまうので、

表裏を同じ糸目でしつけます。

袖下は袖口中から針を出し、

二目落としでしつけをします。

 

【注意】

左右ともに同じフキの大きさにしてください。

 

袖下のしつけを行います。

袖口中から針を出し、

一度袖側に針を出してから

二目落としでしつけていきます。

振りは開き、袖幅の2/3までしつけます。

 

袖を付け替えるために

袖付けの部分を閉じておきます。

二目落としですが、波縫いでもいいです。

 

袖が完成しました。