着物写真のほとんどが、真正面を向き、手を組んでいる・・・、ことに気づいていませんか?
あるいはビースサインで指を立てている・・・。
どちらにしても、面白みも色っぽさ、艶っぽさもない。
ちょっと浮世絵を見てみましょう。
江戸時代の浮世絵師、鈴木春信は、着物という、直線で構成された衣装に包まれた女体の表現の巧みさで知られています。
気づくのは、顔は横に向けている、腰に捻りを持たせている、ことなどでしょうか。
このポーズだと、着物は直線を保てず崩れます。
しかしそこに艶めかしさが滲み出てくるのです。
写真を撮るときは、特に崩れて見えるのを恐れるあまり、ガチガチに固まってずん立ちになりがち。
一見して、美しい、というより、緊張して固まっている、というふうな印象を持たれてしまいます。
顔を塗りつぶしてしまうと、余計に身体からその雰囲気が伝わってきてしまいます。
Posted at 12:31